『SUPERFLAT MONOGRAM』

監督:細田守 2003年 (★★★)
村上隆×ルイ・ヴィトンの店頭プロモーションフィルム。
先週録画しといた『誰でもピカソ』のビデオ。やっと観れた。実に細田監督らしい作品でした。いろんな意味で!
大体、こんな屈折した演出家が、素直に「デジモンの二番煎じ」なんか作る訳が無いんだよ。観てて安心した。
主人公は、幼女のアヤ。ヴィトンの店先で待ち合わせ中に、村上隆デザインの悪趣味なパンダに飲み込まれる。で、ここからが面白い。一見、『ぼくらのウォーゲーム』風だけど、単なる幻想的なイメージシーンじゃないんだよ。デジモンで実在の通信回線を舞台にしたのと同じで、これ、抽象化されたパンダの体内が舞台なんだよね。見た目は似てるけど、映像の担う「意味」が全然違う。パンダに飲み込まれたアヤは、当然、消化管を旅することになる。
狭い食道を通って広々とした胃へ。挑戦的なことに、食道の色が古いヴィトンカラー。コマ送りすると御丁寧に「LOUIS VUITTON」と書いてある。そんな窮屈で古臭い通路を抜けると、新色のベースである白の広間(胃)が眼前に広がる。単なる新色の宣伝である以前に、旧色から新色への変化を描いたフィルムなんですね。
でまぁ、何だかんだあって、また元の世界に帰る訳だ。分からなかったのは、そこで古いヴィトンカラーの管を通って外に出るところ。初見では「ひよりやがったな!」と思ったんだけど、多分違う。これ腸の管か。前もって、胃から別の部屋に移動してたのは、ここでの描写が「逆流してるんじゃないよ」と気付かせるための前フリでしょう。ということは…。
要するに、監督お得意のロリ+スカ嗜好が炸裂したフィルム。現世に帰還したアヤが、携帯に挟まってた笹を見つける下りなんて、うっかりすると「夢じゃなかったんだ!」的オチに見えますが、勿論フェイクです。騙されるなよ!本質は、幼女に(未消化の)笹の葉の匂いを嗅がせるところにある。とんでもない変態アニメだ!
…なんて書くと、「おいおい、ヴィトンがそんなの許可するかよ」と思うかもしれない。でも、元を辿れば、ヴィトン側が「母乳で縄跳びするフィギュア」にピンと来て実現した話だそうじゃないですか。(僕は、アレのどこがアートなのか理解できんが)。連中が、品の無い(ように見える)部分も込みで村上的「アート」を認めてるのだとしたら、十分ありうる話だと思うよ。
と言うわけで、この作品は「デジモンっぽく」という注文を逆手にとって、「デジモンっぽさ」で偽装された、全く「デジモンっぽく」ない作品だという結論。やはり眼の離せない演出家です。







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