『ベルサイユのばら』監督交代事件の印象

長浜忠夫監督は、『ベルサイユのばら』制作時、番組を途中降板しました。声優への演技指導が反発を呼び、TV局側の判断で降ろされてしまった。その経緯は、『テレビアニメ魂』に詳しい。
実際、田島さんの主張も無理はなかった。舞台はフランス王侯貴族が華美を競うベルサイユ宮殿。貴婦人たちが集っての優雅な会話において、なぜか星飛雄馬が花形満に挑むときのような張った声を求められるのだから。録音スタジオで他の出演者たちが、「どうすれば良いのかしら」と困惑顔で囁き合っていたのを僕も何度か聞いたことがある。
このエピソードは他の本(同人誌だったかも)でも読んだ覚えがある。読者としての僕は、「ある種年長者(あるいはヒットメーカー)としての驕りから、声優陣を軽んじるような気分があったのではないか」と、勝手に想像していました。
ところが!この事件を相対化する文章を発見。人形劇演出家・清水浩二氏による回想です。貴重な、「人形劇団ひとみ座」時代の長浜氏のエピソード。『三人の詩人による人形劇』で、長浜氏が演出を任された際に起こした事件がそれです。
NINGYO NO IE ARCHIVES :思い出のキャラ図鑑:第8回「アッちゃん(三井淳子)とタコちゃん(長浜忠夫)」
(益田喜頓)「私、今まで長いこと、この世界でやって来ましたが、あの演出の方のような事を言われたのは初めてです。あの方が私の役の台詞を言い、『今、私が言ったように言って下さい。』と口真似を命じられました。」
若い頃から、やってることが変わってない(笑)!益田喜頓氏は、演劇界の名優であり、後年「紫綬褒章」も授賞した役者です。当時の長浜氏にとっても、演劇界の大先輩。つまり、長浜監督にとっては、相手が年下であろうがベテランであろうが、そんなことは関係ない。これは、終始一貫した演出スタイルだったのですね。






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