2006年4月27日 木曜日

『涼宮ハルヒの憂鬱』#4とイメージBG はてなブックマーク はてなブックマーク登録数

[分野: 演出] 文:bono (投稿日:2006-04-27)

060427_1.jpg 4話目にして、初めて「イメージBG(背景)」が登場。この場面が示す意味は、非常に重いです。「馬鹿馬鹿しいまでにマンガチックな“世界の一側面”」の表現に限定して用いるべく、ここまでイメージBGが温存されていたことが判明したのですから。一連の場面は、「これ以外の用途には使わない!」という演出ルールの宣言に等しく、観ていてゾクゾクしました。
以後、(いや、第1話からずっと)日常的な空間における全ての「感情」や「場面の空気」が、「イメージBG」を用いない形で表現される筈です。

余談。「OPのラストショット」と「EDのファーストショット」の相似が地味に好きです。頭と尻尾のサンドイッチ感覚が気持ちいい。
060427_2.jpgOP
060427_3.jpgED

2006年4月24日 月曜日

1983年のアニメバブル はてなブックマーク はてなブックマーク登録数

[分野: 未分類] 文:bono (投稿日:2006-04-24)

060424.jpg 次に引用するのは、1984年の雑誌記事。制作本数が史上最多(当時)を記録した、83年度のアニメ界を振り返ってのもの。
当時「バブル」という言葉は無い訳ですが、現状と非常に似ています。いや、似ていますっていうか…。

(略)もちろん、ファンにとっては、アニメ本数が多いというのは基本的に歓迎だろう。(略)

しかし、製作現場ではたとえば、作品傾向に合わせてスタッフを選ぶこともできない、という状態になる。ちょっと描ける人だったらすぐ原画、作監にしなければ本数をこなせないのも現状だ。新人をジックリ育てるのはムリだ。(ただ、若手のイキのいい人が、いきなり実作できたえられるという利点はある)
これでは、なかなか時代をリードするような作品は生まれづらいだろう。

いずれにしても、メインスタッフ・原動画・彩色・撮影そして制作進行など、全関係者の異様なガンバリにより、どうやらこうやら“穴”もあかずに放映されているのが現状である。(『アニメージュ』1984年2月号)

「問題点」から「憂い方」まで、書いてある内容が100%今と一緒…(笑)。

記事は、「時代をリードするような作品は生まれづらいだろう」と予測しています。が、皮肉なことに84年は劇場アニメの当たり年となる。『風の谷のナウシカ』(宮崎駿監督)・『ビューティフルドリーマー』(押井守監督)・劇場版『超時空要塞マクロス』(河森正治監督)が公開された。つまり、アニメ史に残るこれらの劇場大作は、粗製濫造が極まる(とされる)バブル的盛り上がりの中で生まれたことになる。(つづく)

2006年4月15日 土曜日

同人原作の商業アニメいろいろ はてなブックマーク はてなブックマーク登録数

[分野: 同人] 文:bono (投稿日:2006-04-15)

『月姫』に続いて『ひぐらしのなく頃に』が、アニメ化されて放送中。どちらも「出自が同人ゲームである」ことの珍しさや時代性が語り口の一つとして流通しています。が、過去に同人原作の商業アニメが無かった訳ではありません。

<『プロジェクトA子』(1986年)>

プ�ジェクトA� DVD完全BOX プロジェクトA子 DVD完全BOX
伊藤美紀 篠原恵美 冨沢美智恵
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『プロジェクトA子』は、最初アニメーターの欲求不満解消アマチュアアニメとして出発した。しかし、アニメを作るには参加者全員が余りにも貧乏だった。そのため、制作費稼ぎのために同人誌が発行され、ゆっくりと制作は進んでいった。(略)。それがとあるアニメーターと創映新社との関係から、創映新社の方で作品化しないかとの話が起こった。同人誌でゆっくりと資金稼ぎをしていてはいつまでたっても本格的な制作にかかれないとの判断もあり、『プロジェクトA子』はアマチュアアニメの世界からプロの世界へと浮上した。(『プロジェクトA子設定資料集』より)

<『CLOUD』(1987年)>

�ボットカーニバル(初回限定版)
ロボットカーニバル(初回限定版)
町田淳子 花形恵子 滝沢久美子
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『雲と少年』 OVA『ロボットカーニバル』の一編として制作された『CLOUD』は、大橋学氏の自費出版『雲と少年』(渚マオ名義)が原型。

どちらもアニメーターの同人誌(?)が商業ベースの企画に転じた例。ちょっと例が少なすぎますが(笑)。企画の求め先として、「アニメ関係者のプライベートな作品」としての同人がまずあった。そこに「商業的に成功した、非アニメ関係者の同人作品」が加わった、と見るのが正確なのかもしれません。

(追記)<この話題に言及したサイト>
浅倉卓司のログ:パピヨンローゼって元々同人じゃなかったっけ?

2006年4月12日 水曜日

『桜蘭高校ホスト部』#1、お金の話 はてなブックマーク はてなブックマーク登録数

[分野: 脚本] 文:bono (投稿日:2006-04-12)

お金持ち学校が舞台ということで、再三お金の話が出てくる。制服の値段、コーヒーの値段。

“ホスト部”はお金を取らないようだけど、その金銭的価値は間接的に描かれています。劇中、「800万円の壺=3年間の雑用=ホストになって100人の指名を受ける」が、等価に扱われた。つまり、接客1人あたり8万円相当。#1では、主人公によって、4人×8万円=32万円分の活動が行われたことになる。漠然とした「金持ち」や「ホスト」のイメージに頼らず、かなり地に足がついた表現がとられています。
(主人公のもめ事に対して与えられた、「罰」の重さも算出可能。8万円×追加ノルマ1000人=8000万円(笑)。)

注意してみると、画面には貨幣も紙幣も登場しません。お札がヒラヒラ舞っている様な金持ち像は論外ですが、これだけお金の話をしていて一度も映さないんですね。勿論、映さない方がリアルです。お金は隠す。ホストの金銭的価値も「間接的に」示す。上手いです。
また、すべての基準になっている壺の値段も、正確には「800万円から」。具体的かつ抽象的なんですね。この辺も本当に良くできている。

2006年4月10日 月曜日

『STUDIO VOICE』06年5月号:神山健治の『映画は撮ったことがない』 はてなブックマーク はてなブックマーク登録数

[分野: 演出| 演出/神山健治] 文:bono (投稿日:2006-04-10)
STUDIO VOICE (スタジオ・ボイス) 2006年 05月号 [雑誌] STUDIO VOICE (スタジオ・ボイス) 2006年 05月号Amazonで詳しく見る by G-Tools

5月号から、神山健治監督の連載コラムが始まった。しかも、演出の話題。初回から飛ばしていて、「映画の正体」なんて言葉も踊っている。こういうのは、アニメの雑誌に載せて欲しかった…。
『NewWORDS』Vol.1で、「キューブリックは僕と考え方が真逆」と逆説的に自分のスタイルを語っていたけど、今回のコラムではストレートに氏の核となる理論が晒されている(と思う)。オススメ。

2006年4月8日 土曜日

スタッフで観る『涼宮ハルヒの憂鬱』#1 はてなブックマーク はてなブックマーク登録数

[分野: 同人| 演出/山本寛] 文:bono (投稿日:2006-04-08)

060408a.jpg #1の絵コンテは、京都アニメーションの山本寛氏。さかのぼれば、京都大学アニメーション同好会の自主制作ビデオ『怨念戦隊ルサンチマン』の監督を務めた人として、有名な演出家です。

この『怨念戦隊ルサンチマン』、一見ありがちな「東映スーパー戦隊もの」のパロディなのですが、実は非常に斬新なコンセプトを持っています。「戦隊もののパロディとして有名な自主制作映画『愛国戦隊大日本』」のパロディというスタンスに立っているのです。自主制作を模した自主制作!これは新しい概念です。

さて、そんな前史を踏まえると、『涼宮ハルヒの憂鬱』#1は少し別の観点から眺めることができます。自主制作を模した演出の数々は、山本寛氏が素人時代から一貫して持っている演出スタイルと非常に相性が良い。むしろ、それを考えに入れた上での配置、と見る事ができるのです。

<おまけ>
060408b.jpg(オリジナル)
060408c.jpg(一部拡大)
TV版『Air』の山本寛担当回には、背景にスタッフの名前が隠されていました。最近のアニメでは、まずありえない“遊び”。これなんかも、明らかに80年代辺りのアニメの“遊び”のパロディなのですが…、模倣する対象がひねくれてますね(笑)。

(4月16日追記)コメント欄にて、「寛」の読みは「ゆたか」であるとご指摘頂きました。誤情報を記した点について、訂正しお詫び申し上げます。

2006年4月6日 木曜日

こんなアニメ感想サイトは嫌だ はてなブックマーク はてなブックマーク登録数

[分野: web| オタク時事] 文:bono (投稿日:2006-04-06)
  • 作品に対しては強くオリジナリティを求める割に、当人の感想文は8割がたVIPPER語。
  • 一見すると力の入った長文だけど、殆どあらすじ。
  • あらん限りの褒め言葉で絶賛しながら、作品名(スタッフ名)を間違えていることに気づかない。
  • やたらと「某」が付く。
  • ふつう以外はすべて「神」。
  • 用いられる形容詞の9割が「エロい」。
  • 日本のアニメしか観たことがないのに、堂々と世界のレベルを語る。
  • 原作を知らないのに、悪気なく「原作ファン向け」と切り捨てる。
  • 世間の流行には手厳しいのに、オタク内の流行にはすぐに飛びつく。
  • 限りなくテンション芸に近い。
  • なぜか助動詞だけ古文。
  • 斬新なことはすべて富野監督が始めたと思い込んでいる。
  • 毎年移転して、毎年閉鎖して、毎年復活する。
  • 「作品を愛すればこそ」と断れば、どんな罵倒も許されると思っている。
  • 正義を貫くために、駄作を叩く。

エイプリルフール用の記事として準備していたのですが、もう4月6日ですね…(笑)。

(追記)<この話題に言及したサイト>
痕跡症候群:痕跡メモ 25
マルジナリア:2006-4-7

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