『涼宮ハルヒの憂鬱』#9の作り込みに拍手

ウンウンと唸りながら観ましたよ。(全部は書ききれないので、ごく一部だけ。)
今回は、ファーストショットから、ラストショットまで、ほぼ全てのカットが「FIX」(カメラ固定)で統一されています。「明らかに見せ方がおかしい“部室”」の外においても、カメラは微動だにしない。上下左右前後の動き、いわゆるカメラワークが皆無です。それでも、注意深く観ないと見落とすレベルの自然さで繋がれていく。最後までカメラの不動に気付かなかった人もいるかも知れない。
木を隠すには森の中。「極端に不自然なカット」に注目を集めることで、「少し不自然なカット」が相対的に自然に見えてしまう、映像編集の不思議を堪能です。
さて最初に「ほぼ全てのカット」と書きました。理由は、1つだけ例外があるから。体育館での手持ちカメラです。「意外性」と「雰囲気の落差」を伴って、「例外的に動き出すフレーム」が捉えたバトンの躍動感。この辺の見せ方もまた素晴らしい。突然、生気を吹き込まれたかのように輝き出す画面の艶に、ちょっと感動。
また、劇中へのカメラ交換によって、フレームが一時的に「4:3」になることにも注目。カメラの設定も当然あるだろうけど、バトンの「縦の動き」に冗長な「横長フレーム」は似合わない!内容とフレームサイズの合致が気持ち良い。大興奮。
そんな訳で幾重にも良くできたシーンです。
あと、幾つかあった構図の反復の中から1つ。
どちらも坂道を下って、学校から離れていくシークエンス。眼前に広がる街の印象の違いに注目して欲しい。
(説明するのも野暮だけど、)方やどんより曇った街。方や街灯でキラキラ(クリスマスツリー並に(笑))。各状況での被写体の気分を背景に託した場面。いずれもさらっと見せているけど、理にかなっていて非常に美しい。これまたホントに良い場面。照れずに頑張った演出に拍手。幻想的な雨のかすみも良いですね。
最後に、観ていてゾッとした演出。「奇行」が奇行として描かれず、ありふれた学校生活の一部として淡々と描かれる。音声で挿入される「他の無個性な部活動」に埋没するレベルの存在感。あれだけ暴れ放題で浮いていた連中が、日常に回収されていく様。もう何とも言えない物悲しい気分に…。
実質的な最終回?なのですか?この結論はリアルで辛いですよ…。
監督:石原立也
脚本:谷川流
絵コンテ:山本寛
演出:北之原孝将
作画監督:米田光良
原画:高橋博行、紫藤晃由、大藤佐恵子、松尾祐輔、端由美子、松尾恵里
(追記)<この話題に言及したサイト>
・My Favorite Days:続・『サムデイ イン ザ レイン』を見て
・零細企業:6/3
・yu_iの日記:ハルヒ流のセンスオブワンダーについて少しメモ。
・REVの日記:世界に回収されたハルヒ
・ミクロKOSモス:「涼宮ハルヒの憂鬱」のシリーズ構成について







最終回ではありませんよ
コメント by 古泉 — 2006年6月10日 土曜日 @ 11:52