2009年8月10日 月曜日

『サマーウォーズ』感想、大家族の圧力がカズマに萌えさせる はてなブックマーク

[分野: 演出|細田守] 文:bono (投稿日:2009-08-10)

 公開初日に観てきました。

090806◆封切り前は「船」に興奮
 封切り前は、場違いな場所にある「漁船」の絵(左図参照)を見て、「“拡張現実”がテーマの、新しいSF戦争映画に違いない!」「電脳空間と現実空間の歪みが!」「リアルとバーチャルの垣根を越えた戦争が!」と、想像が暴走して、勝手にワクワクしていました。
 まぁ観れば分りますが、実際は、「船頭多くして船山に登る」のギャグ(一族の大黒柱を失った混乱で、本当に船が山に登っちゃった)。想像とのギャップに映画館で激しく落ち込むという、そんな一人相撲の一幕がありました。

 全編を観終えての感想は、次の通り。

◆初めの感想

 おばさん「やーねー、カズマは女の子よ」
 主人公 「えー!?」

 …という古典的な展開を予想していたら、そのまま終了してビックリしました。鑑賞後パンフレットを読めば、カズマのプロフィールにはしっかり「長男」と書いてある。これでは、僕が男の子に萌えてたことになってしまうじゃないか!参ったなぁ…と困りつつ、これだけフックの多い映画を観終えて、開口一番なぜそんな感想が出てきたのか、自問自答してみた。

 主人公と同じ歳の頃、僕はお正月恒例の親戚の集まりが苦手で、「お年玉いらないから、一族郎党、謎の奇病で全滅しないかな…」くらいの酷いことを考えていました。『サマーウォーズ』を観て、十数年ぶりにその時の憂鬱な気分を思い出した。監督の思うがまま、ギャグに笑わされたり、悲しい場面ではもらい泣きさせられたりしつつ、基本的には酷く居心地の悪い映画だったのです。

 そんな恐ろしいオーラに包まれた映画にアクセスする手段として、主人公に感情移入できれば越したことは無い。しかし、言うに事欠いて「家族が少ないので、こういうの楽しかったです」だって?無い無い無い無い。君とは分かり合えない。ヒロインも、自分勝手な人っぽくて、取っつきにくい。

 そこでカズマ。親戚の輪から外れ、暗い部屋でPCに向かう姿。「君は向こうにいかないの?」と問われて、鬱陶しそうな顔。あー分かる、その気持ち。というか、たくさん人が出てくるが、君の気持ちしか分からない…。となれば、そこを鑑賞の足がかりとするのは当然。しかも、しぐさが可愛い。これは勢いあまって萌えてしまうのも仕方がない、仕方がない。

◆大人数アニメの系譜
 「妹が12人!?」→「クラスの女子が31人!?」→「大家族が27人!?」、の流れも頭に浮かんだ。(『シスタープリンセス』→『ネギま!?』→『サマーウォーズ』)
 当時、「ヒロインが12人(もしくは31人)も居れば、どれか引っかかるでしょう」と言われたものだけど、同様の理屈で「大家族が27人も居れば、どれか引っかかるでしょう」な作りなのかなと。老若男女、幅広い層が、自分に近い立場のキャラを見つけて、感情移入できるような仕組みなのかもしれない。例えば、「ネットの描写がよく分らない層」でも、観やすいように。「親戚の集まりが嫌いな人」でも楽しめるように。

 (余談だけど、『シスタープリンセス』の大畑清隆監督は、細田守監督と因縁浅からぬ関係にあり、(現在の知名度の差からは想像するのも難しいけど)二人が頭角を現したばかりの頃、一部では並べて語られていた。)

◆あと印象に残ったこと、思ったことを箇条書きに。
・おばあちゃんのセリフに、ムズムズする

・いちいち、「勝ち」の要因をネットの外に見いだす(計算は紙に書く、花札、マーシャルアーツ)

・AIの責任の所在。

・大人も参加する戦いでありながら、子供を守る立場の親たちが最前線に立てない仕組みになっている。このバランスは上手いと思った。社会人のコネとパワーで、過剰なバックアップは与えるわけだけど、OZというフィールドでは、子供達にかなわない。

・初期作品の特徴だった「監視カメラ構図」が消えた?

・「細田守監督には、30分以上の長さの作品を撮らせるべきでない」と感じていたが、今回も同様。演出家としては、TVの各話演出か短編映画の尺がベストなのでは…。

・よその感想でチラホラみかける「ドリーショット」と「水の描写」については、3年前に同人誌で書いたので、機会があったら読んでください。

・カズマのHN「キングカズマ」は、ゲイナーのHN「キングゲイナー」を連想した。どちらもゲームチャンプな設定。

・「カズマは本当は女の子なのだが、旧家のしきたりで「長男」として育てられた。その特殊な境遇により、いじめられた時期もあったものの、格闘技を習って克服した」と考えれば、いろいろ辻褄が合う(<うるさい)。

2009年7月26日 日曜日

細田守監督(17才)の受賞歴 はてなブックマーク

[分野: 演出|細田守] 文:bono (投稿日:2009-07-26)

090726a 『アニメック』1985年9月号を見ていて、偶然「細田守」の名を見つけた。「第3回アニメック&ファンロード合同コンテスト」2次選考通過者の1人として掲載されている。
 氏は、富山県中新川郡出身の1967年生まれなので、同姓同名の別人ではなく、当人だろう。

 ちなみに翌月号は手元になく、入賞したか否かは不明。「フィルム原作部門」がどういった作品を扱うのかも不明。
 (追記:とぼふさんに10月号の情報を頂きました。細田守氏の作品名は『ロバンアルバンの少年』で、入賞は逃したそうです(第3回は全部門、入選作無し))

 細田守氏が、『アニメージュ』をかなりマニアックに読み込んでいたことは有名。他のアニメ誌に目を通していたり、賞に応募していたとしても不思議ではない。

090726b(←クリックで拡大)

4048543776 サマーウォーズ 公式ガイドブック SUMMER DAY MEMORY
ニュータイプ
角川書店(角川グループパブリッシング) 2009-07-28

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B002BY493W サマーウォーズ オリジナル・サウンドトラック
松本晃彦
バップ 2009-07-29

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2007年7月9日 月曜日

『フリースタイル』Vol.7 特集:細田守 はてなブックマーク

[分野: 演出|細田守] 文:bono (投稿日:2007-07-09)
フリースタイル フリースタイル vol.7 特集 細田守―『時をかける少女』を作った男


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 細田守監督のインタビュー記事には、1つ、隠れた魅力がある。それは、「他の演出家の手法や振る舞い」に言及すること。
 細田氏が過去に仕事で接してきた、数々の名演出家たち。彼らの表に出ない繊細な仕事ぶりを、氏の客観的な視点を通して知ることが出来る!これは嬉しい。勿論、そういった脱線は無駄話ではなくて、(彼らに影響を受けた)細田守自身のスタンスに間接的に触れることに他ならないのだけど。
 演出ファンである僕にとっては、一粒で二度美味しい。今回のインタビュー記事も、そういった余禄の多い内容でした。古橋一浩監督が、演出助手と一緒に、ベンジンでセル掃除するエピソードとか(笑)。

 異例の長さで、かなり読み応えがある。とりあえず印象に残ったのは、佐々木昭一郎氏の影響が公けに語られたこと。東映動画のネガティブな部分に触れたこと。東映のシリーズディレクター制度の話題(「最初の十三話分、一クール目までしか面倒をみない」「そこまでしかギャラが付かない」)。『SUPERFLAT MONOGRAM』の群衆はCG。などなど、全部は挙げ切れない。

070709.jpg 僕が初めて細田演出に触れたのは、『少女革命ウテナ』#7。以降の一連のエピソードも好きだし、それらの締めにあたる、#29「空より淡き瑠璃色の」には特別な思い入れがある。

 今回のインタビュー記事で、#29が脚本レベルにまで介入して演出されていたことが分かって、何だか嬉しかった。(そして、「絵コンテの表紙」と「EDスタッフロール」で、脚本家の名前が差し替えられている謎も解けた。)

2006年12月10日 日曜日

C71(冬コミ)参加情報 はてなブックマーク

[分野: 同人|同人活動|演出|細田守] 文:bono (投稿日:2006-12-10)

(11/5記)コミケ受かりました。詳細は、開催が近づいたらまた告知します。
開催日:06年12月31日(日)(3日目)
場所:東R-56a 幻視球

(12/10記)カタログ発売時期なので、情報を追加。目下制作中です。

【新刊】(予定)
ORBIT the animation magazine Vol.4『ORBIT the animation magazine Vol.4』
特集:細田守

(A5/コピー本/12ページ/100円)
・基本的に物語には触れません。
・映像的な表現に的を絞って、印象的な場面を紹介します。

本文・デザイン/bono

【既刊】
在庫なし

2006年7月11日 火曜日

『時をかける少女』ブロガー試写レヴュー はてなブックマーク

[分野: 演出|細田守] 文:bono (投稿日:2006-07-11)

060709w.jpg 細田守監督による期待の新作『時をかける少女』の「ブロガー試写」に当選、一足先に鑑賞する機会を得ました。応募資格であった「ブログサイトでレヴューをお書きいただける方」に応えるべく、以下、僕なりのレヴューです。

<『時をかける少女』レヴュー>
細田守監督の演出的な魅力はといえば…沢山ある訳ですが。今回は、「奇妙なバランス感覚」の観点から紹介してみます。ストレートに言えば、映像構成の「アンバランスさ」について。

かつて細田作品が大いに語られた機会は、2度ありました。初期作品における、超細密レイアウトのインパクト。そして、近作『ワンピース オマツリ男爵と秘密の島』での先鋭的なキャラクター作画の是非。
これらの衝撃は、どちらもアニメとしての「アンバランスさ」に起因します。
(続きを読む)

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