『天保異聞 妖奇士』OP

(絵コンテ・演出:京田知己、撮影:武山篤)
ファーストカットの、年号逆カウントが抜群に良かったです。現代との地続き感を真っ先に確保して、時代劇の抱えるハードルを1つ吹き飛ばす!ゾクゾクしました。演出家の仕事だなぁ。
時間の隔たりとリンクして、文字を少しずつ遠ざける処理も、理にかなっていて非常に気持ち良い。
キャラクター紹介の場面では、フィルム傷のエフェクトが乗っている。それ自体はありがちだけど、見るべきはキャラクターの背景。鮮やかな色彩で昼から夕方へと移り変わっている。つまり、過去として描きながらも時間が止まっておらず、フィルム傷を乗せながらも生気が失われていない!この辺のバランス感覚も凄い。
ここで人物紹介のテンションを抑えることが、後にくるアクションシーンの勢いにもつながっているし。
OP・EDの透明感や、「監督 錦織博」の文字が出る時のきらびやかな処理は、武山篤氏による撮影の賜物でしょうね。
ちなみにEDは、絵コンテ・イラスト:山形厚史、演出・撮影:武山篤。この番組、1年間続くようなので、1度くらいは武山コンテのEDが観られることを期待。
本編で気になったのは、左図の場面。画面のこちら側(視聴者)に直接話しかけているように見える。今後の展開と無関係ではないと思う(というか思いたい)けど…。
ちなみに、高畑勲監督もときどき使う手法です。(『太陽の王子 ホルスの大冒険』のフクロウ、『平成狸合戦ぽんぽこ』のタヌキなど)






『FREE DRAWING “LIGHT”』(’02年発行/上井草プロダクション/発行責任者:中村豊)
左図、フレーム右下に配置された「走るエルリック兄弟」が素晴らしい。これのある/無しで、画面の意味は180度変わります。要素を重ねることで、揺るぎない「イメージシーン」であることを主張している。ここでは、国家錬金術師たちがどんなに破天荒なアクションを見せようが、設定された「イメージシーン」の枠組みを越えることはありません。本編の物語からきちんと切り離し、シリアスな展開を損なわない形で、派手なアクションが披露される。こうした筋の通し方が、観ていて非常に気持ち良い!
3号前から、アニメ演出家へのインタビュー記事が連載としてスタートしました。演出好きとしては、一応チェック。第1回が神山健治氏、第2回が望月智充氏、そして今号が京田知己氏。